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シンプルという魔物


Simplicity is the ultimate sophistication.



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初めに


デザインやビジネスの本を読むとシンプルにするべき、シンプルが聞き手に伝わるというのをよく目にします。

シンプルの意味を調べてみると

simple  易しい 簡素な 簡略な 質素な 地味な

デザインやビジネスにおいてシンプルは簡略という意味で使われている事が多い気がします。

なるほど、簡略、簡単に略式に。

つまり、元は複雑であるという事じゃないでしょうか。

それなのに、最初からシンプルが正義だから、トレンドだからと、シンプルである事が目的になっている事例が周りであるので、今回こんな話をしようと思いました。



最初からシンプルは、何も考えていないに等しい。



初めに、デザインやビジネスでは、複雑な考察や情報を削って削って削ぎ落としたものをシンプルと言います。

短絡的にシンプルが洗練されていて見た目として良いからという理由だけでデザインしてしまうのは何も考えてないに等しい。

ビジネスの場面でも、自分の考えをいかにシンプルに正しく伝えるかというのが重宝されるべきで、ただ見かけだけで、言葉足らずになって正しく伝わっていないというのは何も生まれません。


デザインの場面で何も情報が入っていなく、分かりづらい伝わらないという失敗事例は、どんなデザイナーでも、たとえ有名なデザインのプロでも行ってしまいます。
"デザインの敗北"で検索してみてください。

それだけではなく、情報が入っていないという事はそれ以上何も広がらない事を意味します。
バックボーンがないので一本、芯が入っていなく、後から添加物のように足していく事しか出来ません。

必要な情報を入れない/削いでしまう と相手に伝わらなく、見向きもされないか追加で情報を載せなくてはいけなくなります。

まさに、自分が思っていたシンプルがシンプルではなくなる瞬間です。



シンプルのイメージ


風呂敷を広げてそこに選別した必要なものを置きそれら全てを風呂敷で包んでいるような見た目は風呂敷の丸み、中に必要なもの(情報)を内包している。
いつでも必要なものが出てくるイメージ。


今の時期によく目にするのが東京オリンピックのロゴ。

グッズ等を見ると、ちゃんと広がりがあって勉強になります。
ロゴと同じ形になっていなくとも、要素ですぐにオリンピック関連の商品とわかります。

下記は駅で見かけたポスターですが、すぐにオリンピックのロゴから派生したものと分かりました。


これは非常に大事な事で、アイデンティティとして確固たるものを持っている証拠になります。


まとめ


シンプルにまとめる事はかなり慎重にやらなくてはいけません。
時間がかかります。
必要な情報は何なのか、正しく伝えるにはどうすれば効果的かを考えるからです。

また、広がりを持たせられる何かを内包しなければ、単体のみで終わってしまうのでそちらも必要な情報になります。

デザインは情報の集合体です。
取捨選択し、シンプルにまとめ、尚且つ伝わるデザインなので称賛されるのだと思います。